三宅島
岩田さんのご家族からお菓子のお裾分けをいただきました。三宅島の銘菓『牛乳煎餅』です。パッケージを見ながらしみじみと、「ここまで来れたのよね~」とつぶやく岩田さん。訳が分からず「??」という顔をすると、「噴火からここまで復興したのよ~。すごいよね~。」と。
家に帰って調べてみると、昔から三宅島やその周辺諸島では牛乳煎餅が作られていて、お土産としてもメジャーだったようです。三宅島には噴火前、山頂に村の牧場がありその牛乳で作っていたのだそうです。島の牛乳が使えない今も、噴火前と同じものを作れるようになることは、観光収入はもちろんのこと、皆の気持ちが上向きになるために必要なことなのだと、分かった気がしました。
もったいなくて、まだ開けられていませんが、来週あたりいただきたいと思います。岩田さん、ごちそうさまです。
小学館「いつでもbon vivant」 ゆっくりと島巡り-三宅島(2)より
2000年の噴火、そして4年半におよんだ避難勧告により、島のいくつもの産業が失われてしまった。
しかし、すぐに復旧、フル回転でがんばっている人もいる。
島で唯一といわれるお菓子屋さんの「岡太楼本舗」の平松さんは、帰島後すぐに営業を再開した。45年つづく名物「牛乳せんべい」を、焼きはじめたのだ。
バターの香りが漂う工房を覗いてみたら、焼きたて熱々のせんべいを手渡してくれた。牛乳、バター、小麦粉、卵、砂糖で作られたシンプルな味が、まるで牛乳せんべいを焼いている平松さんの人柄を表しているようだ。口のなかには、懐かしい味が広がった。